おいしい理由 その①

徹底した情熱のハンドピック

女性ならではのきめ細い作業
皆さんは、焙煎する(コーヒー豆を焼く)前の、生の豆を見たことがありますか?
土臭くて、固くて…。この種(豆って実はコーヒーの種なんです)を焼くことで、こんなに芳醇な香りを放つということを発見した人はすごいなぁとつくづく感心します。

「コーヒー豆」はその年の気候や産地、さらに農園によって、味も風味も姿も様々。それぞれに特徴があり、質も異なります。焼き上げて試飲する度に「コーヒーってすごいなぁ」と、その魅力にいつも感じいります。

そんな素晴らしい風味を持つ豆ですが、麻袋に入れられ世界中から船便で運ばれて来る農作物なので、どんなに良質の豆であっても、虫食いや発酵、あるいはカビなどによる「欠点豆」と呼ばれる不良豆が混じってしまいます。
10グラム弱のメジャーカップの中に、たったひと粒でも欠点豆が混じったら、一変で風味が壊れてしまいます。だからこそ、この欠点豆を取り除く「ハンドピック」という作業が不可欠なのです。

焙煎の度に試飲を欠かさない当店では、1杯のコーヒーに1粒でも欠点豆が混ざると、「こんな嫌な味になる!」という事実を痛いほど知っています。だからこそ一粒でも見逃すものか!という気持ちになり、ハンドピックの精度をどんどん上げていったのです。

ハンドピックに取られる時間と労力を考えて、生豆選別機(車1台分)を買ってしまいましたが、それでも人の目と手にかなうはずがなく、生豆の質が低下した時だけ活躍してくれています。

私たちの作業ぶりを見たお客さまが「大変だね~~」と声をかけてくれます。「こんなに捨てるのもったいないね」ともおっしゃっていただきます。
すべては味のため。確かにもったいないけど、少しでも傷んでいるものは省かなきゃ。でも捨てられていく豆たち、なんだかかわいそう…。そこから、消臭用の豆に焼きあげて、皆さまにプレゼント♡という発想が浮かんだのです。捨てずにすむ!お客さまにも喜んでいただく!一石二鳥でした。

先日、東京でたまたまこのブレンドを口にしたお客さまから、「コクがあるのにどこまでも澄みきっている。コーヒーの概念を変えさせられました。これは奇跡のコーヒーです」という、とんでもなく過分な、そしてとっても嬉しいメッセージをいただきました。
自分たちが、美味しいコーヒーづくりを目指してひたむきにやっていることが、ちゃんと受けとめてもらっている、人の口にきちんと伝わっている。とっても力をいただく出来事でした。

かほりブレンド“はお茶のように何杯でも飲めて、ご飯のように飽きのこないコーヒーです。だから、和食の後も緑茶やほうじ茶同様に美味しく飲めます。かほりブレンドは生活に「なくてはならないもの」になれると確信しています。


おいしい理由 その②

ホワイトコーヒーとこだわりの焙煎方法

ホワイトコーヒーとこだわりの焙煎方法

かほりブレンドは4種類の豆を使っており、この中に1種類だけホワイトコーヒー(浅煎り豆)を混ぜています。他の3種は中煎りですから色はいずれも茶色、見た目があきらかに異なり、「これナニ?」と尋ねられるお客さまもたくさんいらっしゃいます。

かほりブレンドの味の最大の特長は、飲んだ後に口中に残るほのかな甘み、そしてそれが、その後鼻からスーッと「縦」に消えていく、あるいは抜けていくように感じる「返し」にあります。これを引き出している大きなポイントこそが、この白っぽい浅煎り豆。たとえて言えば「味の素」的な効果を発揮している豆なのです。

このホワイトコーヒーを混ぜる手法は、かほりを立ち上げた先輩の工夫です。常識に囚われず、他人がやらないことをやることをモットーにされたこの方が考案されました。そしてまたホワイトコーヒーをこよなく愛し、熱心に研究を積み重ねた別の先輩がこの手法をさらに進化させ、それを今私たちが引き継いでいるのです。

ホワイトコーヒーとこだわりの焙煎方法

焙煎のひと手間ひと手間に一切の手を抜かず、試飲を繰り返して「後口の甘み」や「返し」を確認。また愚直なまでに徹底的にハンドピックにこだわることで、真心がたっぷりつまった、どこにも負けないコーヒー「かほりブレンド」をつくり続けています。

「とても疲れていた時、かほりのコーヒーに癒された」「一日の仕事が終わって、ホッとした時、この香りに包まれて幸せな気分になった」お客さまにこうした言葉をいただく時、それが作り手として至福の時。
より美味しいコーヒーをつくろう、「ブルーマウンテンみたいなブレンド」をつくろうという新たな挑戦へのエネルギーに繋がっていきます